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Creation

【男1×女1】フリー台本 ラブコメ

【設定】

~年齢~

→主人公もヒロインも17歳の高校生。

~関係性~

→中学時代からの友人。共に学業を励んでいるが、学年トップを奪い合うライバルのような関係でもある。

~シチュエーション~

→日直の仕事を片付けている主人公の元へヒロインが現れ、本命のチョコレートを手渡す。

~舞台~

→放課後の教室

~時間帯~

→夕方



【本編】


ツンデレ「あんた、まだ帰ってなかったのね」


 主人公が黒板を綺麗にしていると、ツンデレが教室へ姿を見せる。


主人公「仕方ないだろ。日直の仕事が残ってるんだから」

ツンデレ「仕方ないわねぇ……。このままだとあなたが可哀想だから、私も手伝ってあげるわよ」

主人公「……今日は傘を持ってきてないぞ?」

ツンデレ「雨なんて降らないわよ。それとも……私のことをからかってるのかしら?」

主人公「どうだろうな」  


 ツンデレが主人公と同じように黒板消しを手に持ち、あなたの隣に立つ。


ツンデレ「……そういえば、今日はアレよね」

主人公「アレ……? なんだよアレって?」

ツンデレ「アレはアレよ!」

主人公「は?」


 ツンデレが黒板消しを動かす手を止めたため、主人公は首を傾げながら顔を隣へ向けた。


ツンデレ「まさか今日が何の日なのか分からない……なんて言わないわよね?」

主人公「今日が何の日なのか……」

ツンデレ「……あんた、本当に分からないの?」


 今日が何の日かを主人公は考えるがまったく見当もつかない。ツンデレはわざとらしく大きな溜息をつく。


ツンデレ「バレンタインデーよ! バ・レ・ン・タ・イ・ン・デー!」

主人公「あぁ、そうだったな」

ツンデレ「勉強はできるくせに、何でこういうのには疎いのよ……!」

主人公「悪い、あんま意識してないんだ」


 少々不機嫌そうに声をあげるツンデレを見て、主人公は苦笑する。


ツンデレ「あなたのクラスにだって一人や二人、チョコを貰ってるヤツがいたはずよ。勿論あなただって例外じゃないんだから――」 

主人公「いやいや、貰った側は分かるけどさ。俺は一つも貰ってないから、普通の日常と何も変わらないんだよ」

ツンデレ「えっ?」

主人公「ん? どうした?」

 

 主人公の言葉にツンデレが手に持っていた黒板消しの動きを止めた。


ツンデレ「そ、そうだったのね。まぁ確かに、あなたにあげようとする女子なんているわけないわ」

主人公「い、いたかもしれないだろ! それこそ恥ずかしがって、今日じゃなくて明日渡そうとか考えていたりして……」

ツンデレ「いいじゃない。チョコぐらい貰えなくても」

主人公「よくねぇよ……」


 落胆する主人公を横目に眺めたツンデレは、どこか安心した様子で、黒板消しを再び動かし、黒板の清掃を始めた。


ツンデレ「……さっき、誰からもチョコを貰ってないって言ったわよね?」

主人公「あぁ、言ったな」

ツンデレ「嘘、ついてない?」 

主人公「つくわけねぇよ。もし本当にチョコを貰っていたら、真っ先に自慢してたからな」

ツンデレ「そ、そう……それならいいのよ」

主人公「何がいいんだよ!? バレンタインデーなのにチョコがゼロだぞゼロ! 俺の友達とか貰えてるやついるのに、何で俺は――」

ツンデレ「う、うるさいわね! あなたは口よりも手を動かしなさい!」


 ツンデレは何かを誤魔化すかのように、黒板消しを動かす手を早くする。


SE「――カタッ」


 すると、ツンデレの制服から赤色の長方形の箱が床に落ちた。


ツンデレ「――!?」

主人公「ん? なんか落ちたぞ」


 それに気が付いたツンデレは顔を真っ赤にしながら、急いで拾い上げ、懐に仕舞う。


ツンデレ「……見た?」

主人公「あ、あぁ見たけど」

ツンデレ「……本当に?」

主人公「赤い箱だったろ。形は長方形で、リボンが結ばれていたような……」

ツンデレ「も、もういいわよ……!」 

 

 説明をしている最中にツンデレが主人公のすぐ近くまで歩み寄り、制服の裾を掴んだ。


ツンデレ「さっきのは、その、アレよ……」

主人公「アレ……?」

ツンデレ「アレはアレよ!」

主人公「いやだから、アレって何だよ?」


 口をもごもごさせながら小声で説明をするツンデレに、主人公はそう聞き返す。


ツンデレ「もう……! あなたは頭がいいのに、こういうのには本当に鈍いわね……!?」

主人公「は、はぁ? 何で怒ってるんだよ?」


 何故か怒られた主人公はワケが分からず、ツンデレに睨みつけられる。


ツンデレ「あ、あなたが見たのはこの箱でしょ! ほら、私からこれを受け取って、中身を確認してみなさいよ!」

主人公「お、おい! 本当に何なんだよ……!?」

ツンデレ「うるさい!」


 主人公は無理やり赤い箱をツンデレに押し付けられた。


ツンデレ「その箱は暑さに弱いから、早めに食べなさいよ……!」

主人公「待て、この箱は食べれるのか?!」

ツンデレ「違うわよ! あんたはどこまでも私の計画を崩してくれるわね……!?」


 主人公はツンデレを余計に怒らせてしまう。


ツンデレ「いい!? 私は"たまたま"ここを通っただけよ!」

主人公「そんなこと今更言われても――」

ツンデレ「日直の仕事はこれで終わり! 私はもう帰るから!」


 ツンデレは黒板消しを置いて、背を向けながらそのまま教室を出ていこうとする。


ツンデレ「ち、ちなみにその赤い箱は―――」 


 教室から出ていく最中に、ツンデレはふと足を止め、


ツンデレ「――ほ、本命よ」

主人公「……!」


 小さな声を震わせながらそう言うと、早歩きをして教室から去っていった。


主人公「黒板、綺麗になってないんだが……」


 黒板はまだ綺麗に清掃されていない。


主人公「あいつ、もしかしてこれを渡すために……俺のところへわざとやってきて……。それに

、あいつは本命って言ったよな……?」


 主人公はこの赤い箱を渡すためにこの教室へ訪れたのだと理解する。


主人公「中には何が入ってるんだ……」


 貰った赤い箱を開けてみれば、メッセージカードと手作りらしきチョコレートが入っていた。


主人公「このメッセージカードは……」


 主人公が一枚のメッセージカードの文を確認する。


ツンデレ『あなたともっと一緒にいたい』


 

【シーン終了】

 

 

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